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    半年だけの滞在のつもりが、4年間もロンドンに住んでいました。ロンドンでの生活、ヨーロッパ旅行を中心にお届けします。


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2008/09/10(Wed)

【思想】H&Mの大行列に思う

【オープン5日目のH&M】
うわさのH&Mが13日にオープンしたので、15日(月)と17日(水)に行ってきました。
15日は祝日でオープン3日目だから混雑しているのはわかっていた。
が、本日行ったのは平日の14時である。
平日の14時と言えば、仕事の真っ最中、もしくは学校のお勉強時間のはずなのに!
15日よりも行列は長く長く続いていて、博品館の交差点から左に曲がり、
それでも列は懲りずに長く長く続いていた。

直射日光を浴び続けてぐったりしている警備員さんに
「あの…… 今って何分くらいで入れますか」恐る恐る聞いてみる。
彼はどんより曇った目で私を見ると、にこりともせず「3時間」。
ぽつりとそうつぶやいたのだった。

【行列という集団催眠】
私は超がつくほどせっかちな人間なので、3時間も待てない。待てるはずがない。
しかし世の中とはよくできている。
3時間って聞いておきながらも、並んでしまう人物がいるのだ。
狂ってるのではないか? 疑いたくなるほど、私にとって、
彼らのそんな心理状態はまったく理解できない。

そこで、並んでいる人たちを観察し、仮設をたててみた。

●並びたて
みんなうっとおしいくらいの笑顔。
「H&Mでお買い物するぞー!」という意欲にあふれている。

●並んでから60分後くらい
微妙な笑顔。
「3時間待っていいものが買えなかったらどうしよう」という気づき→不安に至る。

●並んでから90分後くらい
どことなくいらついている。
「くそ暑いし、列は全然進まないし! も~」という状況悲観→苛立ちに至る。
※この先1時間はいつ爆発してもおかしくない状態が続く。

●並んでから150分後くらい
疲れを乗り越え、テンションが高くなる。
「最前列が見えてきたー。マジあがるわ~。絶対買いまくろう」
という超ポジティブ状態に至る。というか、暑さと疲れで神経がキレる。

●入店後
正常な判断能力を奪われ、目につくものを購入しまくる。
「ぎゃー、あれもこれも素敵!!!! まとめて買っちゃえ!」
という極めて危険な状況に陥る。家に帰って戦利品を見てガッカリ、
もしくは着ることのない服たちであふれる。


この仮説はおおむね間違っていないと思う。
行列、コワいわ~!! 
※2回挑戦してダメだったことへの腹いせではありません

【行列できるものって?】
すべての行列がダメなわけじゃないの。
東京ディズニーランド(もしくはシー)なら大丈夫なの。
だって、楽しみだから、楽しみレベルが行列でアップすれば嬉しいじゃない。
ただ、社会人になってから一度も行けてません。
「東京ディズニーランドは彼氏と手をつないで行くんだ♪」
なーんて誓いを大学卒業時にたててしまったもんだから。ねえ……
※どの彼もディズニー嫌いでしたの。
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2008/09/10(Wed)

【日常】とってもカワイイ女の子?

【高島忠夫的眼科医】
本日はコンタクトを購入するため某眼科に行ってきました。

前の眼科医は診療中ずっと「瞳、キレイ。イエーイ!」と高島忠夫なノリでした。
「機嫌を損ねたらコンタクトを処方してもらえないかも」
なんて余計な不安を抱いてしまったため、「先生、面白いですね~」と、
頬がぴくぴくするのを感じながらおだててしまいました。
それを聞くや否や眼科医は満面の笑みを浮かべ、
親指を私の顔の前まで突き出し、「イエーイ!」を連発。
……本当につらかったんです。10分程度の診療時間が、30分にも60分にも感じました。

【医師免許はおもちですか?】
で、本日訪問した眼科。結論から言うと、高島忠夫のほうが良かった。マジ。

まず、看護師が「先生よろしくお願いしまーす」と呼びかけると、
診療部屋からは「はあい。さとうさん、どうぞお入りくださーい」と気が抜けるような甘い声。
……でも、明らかにそれは男の声。気のせいだと思いたくても、思えない。

恐る恐る入室すると、赤や黄色の派手なシャツにビンテージ物と思われるジーパン、
足元は湘南を気取っているのかビーサンだ。
要するに医師とは言い難いいでたちで「先生」と呼ばれた彼は私を出迎えたのだった。

【女性以上に女性】
目の前の男は本当に眼科医なのだろうか。これはドッキリではないだろうか。
なぜ白衣ではなくシャツなのだろうか。そして、なぜビーサンなのか。
さまざまな疑問が後から後から湧き出てくる。

「ほら、ここにお座りしてくださいね~」
彼の甘えた声が耳に届き、はっと我に返る。
「こちらの台にあごを乗せてくださいね~。すぐ終わりますよお~」
「わおっ。瞳、キレイですね~。何も問題ないでーす」
「何か質問ありますか~(頬に人差し指をあてながら、首をちょこんとかしげる)」
「これからもお大事にしてくださいね~。目は大切だぞ(ウィンク)」

文章にしてみるといかにもカワイイ。そしてしぐさも女性以上に女性だ。うらやましい。
これがね、例えば「はるな愛」ちゃんくらい可愛かったらいいんです。受け入れます。
が、残念ながら彼はTKO木下さん似↓
のんびりまったり「木下さん」

木下さん、嫌いじゃないんだけど、ね…… 
もうちょっと頑張りましょうよ、先生……

【やっぱり男だと思った瞬間】
看護師さんがほかの患者さんにかかりきりだったので、先生がお会計をしてくれました。
お釣りを落とさないようにという配慮なのか、手のひらに硬貨を乗せると、
先生の大きな手で私の手を包み込み、ぎゅっと握ってくれました。
先生は軽く力を入れたのかもしれないけど。うん。とっても痛いよ?

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2008/09/10(Wed)

【思い出】8年前のPCから出てきたもの

【思い出がいっぱい】
先日、8年ほど前に使用していたPCを処理しようと思い、
保存していたデータを調べてみた。

会社を退職したくて仕方なかった時期だったらしく、
いくつものパターンで練られた職務経歴書のほか、
当時は新しいと思っていただろう新規事業の提案書、
墓場まで持っていかなきゃならないような恥ずかしい恋愛小説などなど。
時には苦笑したり、時には体全体がカッと熱くなるような恥ずかしい思いをしたりと、
それなりに楽しい時間を過ごせた。

が、上記以上にじっくり時間を費やして見入ってしまったのは、
何百枚にものぼる膨大な数の画像データだった。
四季の移り変わりを感じる風景、愛らしい動物たち、そしてライブの画像だ。

【マメな自分に感謝を】
たとえばこんなライブ画像が出てきた。

まったりのんびり「どこのバンド?」
※顔がうつってないから大丈夫かな~?

のんびりまったり「rain maker」
※このバンドのライブは見ててスカッとしたなあ~。今や全員30代なのかな?

のんびりまったり「whc@era」
※とにかく動き回るから大変だった覚えが……

のんびりまったり「BW」
※大阪のとっても狭いライブハウスでした

のんびりまったり「make wonder」
※本当にかっこいい女です。鳥肌いつも立ってた。

画像が荒いのは8年前のスキャナーだから。
あきっぽいし、基本面倒なのは大嫌いなんだけど、
撮影して、現像して、スキャニングするのはマメにやってたみたいだ。びっくり。

ライブ画像はめちゃくちゃいっぱいあって、それぞれに思い出があるのだけど、
顔がばっちり映っているのは出していいのだろうか……
解散してたり、違うジャンルのバンドに入ってたりするから非常に悩ましい。
まだPVが低い今だからこそ、出しちゃおうかな。

【いまだかなわぬ夢】
今でもどうしても撮ってみたいのは裸体である。
というのは、今は亡き師匠が(出会ったときは既におじいちゃんだった)
撮影した女性のそれが息をのむほど、しなやかで美しかったから。
友人に頼んでもダメだったから、街中で声をかけていました。痛い……
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2008/09/10(Wed)

【思い出】メイドに学ぶ仕事観

【1日だけのメイド体験】
そういえば、秋葉原の駅前にメイドさんの姿を見かけなかったことに気づいた。
もう流行は終わってしまったのだろうか……

……なんでこんなにも気になるのかと言うと、
実は1日だけメイドデビューをしたことがあるからなのだ。
約2年前くらいだったように思う。そう、わりと最近。
もちろん最初は丁重にお断りしようかとも思ったが、
「何事もやってみなきゃ分からない」という気持ちと、
当時はメイドカフェなるものが流行っていたので好奇心が抑えられず、
とりあえずやってみることになったのである。

【ご主人さま~なんて言えない!】
予想していた通り、これがなかなか恥ずかしい。
「お帰りなさいませ、ご主人さま~」って!
胸ぐら掴んで「てめーは私の主人か!」と言いたい衝動に駆られてしまう。
第一、私は彼に対しても甘えることができないのに! 
どーして他人に甘えることができるんじゃい!

握りしめたこぶしを見つめながら、ふるふる震えていると、
若い女の子が首をちょこんとかしげながら、
「ダメですよお~、そんな怖い顔しちゃ~」
かわいい声で指導してくださる。

「そんなこと言ったってさあ~……」
なおも文句をグダグダ言う私に対して、
にっこり笑顔のまま、しかし真剣な表情になって
「イヤだと思ったら楽しいことや、嬉しいことなんて見つからないんです。
まず楽しもうと思ってやれば、仕事ってたいてい面白くなりますよ」
彼女が考える仕事観をずばりと言ってくれたのである。

若いのにこのプロ意識。あっぱれじゃないですか。
同時に私は自分自身の甘さと彼女に対する無礼なふるまいに
(だらだら文句を言いながら仕事をすること)
とても恥ずかしくなってしまった。
どんな仕事でも面白さはある、それを教えてくれたような気がした。

【メイド体験の成果は?】
一度心を入れ替えたものの、「●●ちゃ~ん、もっと遊びた~い」と
しつこく甘えてくる「ご主人さま」にブチ切れ。
低い声で「ああ?」なんて言っちゃったもんだから、即刻退去命令がくだりました。
ツンデレカフェ(ありましたよね?)なら、きっと大人気なのに。くそ。
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2008/09/10(Wed)

【日常】危険はいつもあなたのそばに

【非日常的現象は災いをもたらす】
今日は会社を早々に退社して、某電気店に行ってきました。

悲しいことに、私は電気店では全く相手にされない。
どこのフロアに何があるか分からないうえに、製品を見ても、
どこがどう違うのか、何がいいのか、安さの理由は何か。
それらが全く分からないから店員に尋ねるのに、
彼らはそこそこの説明で、すぐに引き上げてしまうのだ。
それが分かっているから、いつも通り、店内をウロウロ巡り目的のモノを探していた。
本来なら30分以上かかるところを、なんと今回は10分程度で発見してしまったのである。

……これがいけなかった。

「ひとりでも大丈夫じゃん。発見できたじゃん、私」
小躍りしながら、自分の背丈よりも高いところに設置されているソレを取ろうと、
背伸びをした途端、足もとがふらつき目的物以外のものに手が触れてしまったのだ。
いかにも重そうなソレはゆるやかな放物線を描きながらも、
パッケージの鋭角な部分は確実に私の顔を狙っていた。

危ない!
頭の中で私の野性が本能に呼びかけ、
脳が危険を回避せよと身体を動かそうとするが……
運動神経がぶっち切れている私は、ただただ、ソレが迫ってきているのを
ぼんやりと見つめていることしかできなかったのである。


【白い床は血に染まって】
鼻の下に強烈な痛みを覚え、私はたまらず床に膝をつく。
患部が急激に熱を帯びていくことが分かった。

「大丈夫ですか」
店員が背後から心配そうに声をかけてくれる。
ウロついていた不審な客がいきなり床にうずくまったので、何事かと思ったのだろう。
痛みにクラクラしながらも、無理やり笑顔を作って振り返ると
笑みを浮かべていたであろう店員の顔がどんどん曇っていく。

「お、お客様! 血が!!!!」
なぬ? 血? そういえば、何となく鉄の味が……
いやな予感がして患部を触ると、ぬるりとした感触。
その手を見れば「なんじゃこりゃあ」な状況、そう、血まみれ。
さらには白い床にも血の跡が気まずいくらいに点々と散っていたのだ。

【今回の教訓】
キズは小さいながらも、その痛みはかなり大きなもの。
目的物に短時間でたどり着いた喜びはいずこへいったのか、すっかり落ち込んでしまった。
非日常的な行為、出来事は、よくないことが起きる前触れなのだ。
失意のまま帰宅すると、母親は私の顔を見るなり
「ヒゲ男爵じゃなくて、チョビヒゲ大臣(?)だ~」と笑うからたまらない。
確かにキズはヒゲのように見えなくもないけどさ…… あんまりじゃない? 親として。
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2008/09/10(Wed)

【思想】よだれのこと2

【口の筋肉を強化しよう】
だらけた口元から出てくるよだれを防ぐため、
最近は口の筋肉の強化に努めている。

大学時代は友人と共に「どうしたらプリクラで可愛く撮れるか」ばかり考えていた。
その結果、出てきた答えは「口角が上がっていると可愛く見える」だった。
何度もプリクラで検証した結果だからどうか信じてほしい。

「口角を上げる行為」は簡単なようで、実はかなり難しい。
その理由はどちらか一方だけが上がってしまうと、
厭味な女にしか見えないということ。
そして口の筋肉が強化されていないとキレイに上がらないからなのだ。

【効果的なトレーニング】
「口角を上げる」ためのトレーニングは鏡に向かって、無意味に笑顔を作ること。それだけ。
文章にするといとも簡単にできそうだが、
上の前歯:下の前歯=7.5:3.5の黄金比を保たねばならないから難しい。
そのため、最初は指で調整するなど、自分なりの方法で黄金比を作り出すことが必要だ。

私は10年前くらいにこのトレーニングを日々行っていたので、ある程度、要領は得ている。
しかし家族と暮らしていたり、彼と同棲している人は注意してほしい。
鏡に向かって一人二ッカリ笑う様子は、実は非常に不気味なのだ。
実際、我が鬼妹からは「超気持ち悪いんですけど」という
コメントが携帯メールで寄せられている。
現場を目撃しても、話しかけられない、
そんな不気味さとリスクがあることを肝に銘じてトレーニングしよう。

【トレーニングの結果は?】
上記トレーニングを2週間ばかり続けているのだが、相変わらず電車ではよだれまみれ。
口の筋肉だけの問題じゃないかもしれない。
こうなったら私のよだれをも愛してくれる男性を募るしかない。
……いるのか?
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2008/09/10(Wed)

【思想】よだれのこと

【油断もスキもある】
黙っていると「怒っているの?」と言われるほど、
私の口はとてもとてもしまりが良い、と思う。
思っていたのだが、ここ数年、自らのよだれ被害に悩んでいる。
どうやら加齢と共に口の筋肉がだらけきっているようだ。


よだれ被害の報告
1:電車でうっかり熟睡すると首回り、もしくは足の付け根がよだれまみれ
おそらく上を向きながら、口を全開にしているのだろう。
想像するだけでとっても痛い人である。
ちなみに今の季節は冷房の影響でよだれが冷え、とても寒い。

2:マンガを読みながらうっかり眠ると、マンガがよだれまみれ
『PLUTE』4巻がネロネロになりました。
最高のロボット「ゲジヒト」も、さとうさんのよだれには勝てません。

3:歯医者の治療中に医師をうっかり見つめすぎると、首がよだれまみれ
歯科助手が奥さま一人しかいないので(なんかエロい)、
よだれ吸い込み機で取ってくれないとせっかくの化粧もハゲハゲです。

4:空腹時に美味しい料理のにおいをうっかり嗅ぎすぎると、口のまわりがよだれまみれ
におい=妄想をかきたてるいい素材です。
美味しい料理のにおいをかぐことで、実際食べた気分になってしまい、
ついつい口元がゆるんでしまいます。


たったこれだけ書いても、なんだかとてもかわいそうな人に思えてしまうし、
何よりもつらいのは彼(いないけど)の腕枕をよだれまみれにしてしまうことだろう。
よだれが多いといいこともあるようだが、神聖なる腕枕をよだれで汚してはいけない。
まだ出会っていない彼にふられる前に私は、
このだらけきった口元を強化しなくてはならないようだ。
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2008/09/10(Wed)

【日常】歯科医をひるませる方法

【前回のあらすじ】
7年ぶりの歯医者通院をはじめたさとうさん。
虫歯一本という奇跡の偉業を成し遂げながらも、
歯石取りの苦痛におびえる毎日を送る。
※参照:歯医者に行こう! 

【歯科医へのささやかな抵抗】
「目をあけて、医師の目をしかと見つめる」
手を挙げても対処してくれない医師に対する有効な方法はこれだ。

痛くないときは宙を見つめ、痛いときは手を挙げるのではなく、
目をカッと見開き、医師の顔を凝視するのだ~!!!
すると医師は一瞬ビクッとなり、治療を中断せざるを得なくなる。
と言っても、痛みは軽減するわけではない。
単なる嫌がらせかもしれないが、こうすることでイライラが晴れるのも事実。
私のように毎回苦痛を味わっている人はぜひ試してみるといい。

そういえば、うちの家族は全員、治療時は目をつぶると言う。
はて? 私は一度たりともつぶったことがない。
普通は目をつぶるのだろうか???
(ちなみにキスのときは目をつぶります。ご心配なく!)

【2008年9月10日現在の戦い】
「医師の顔を凝視する」という嫌がらせは、残念ながら3回目の本日の治療では
すでに有効な方法ではなくなってしまった……
それどころか彼はにっこりと微笑む余裕すら見せているのだ!
むき~! 憎らしい~!!!!!

ちなみに彼は歯石を取る作業が最も好きなようで、
作業終了後、見たくもないのに血に染まった歯石を
「ほら、こんなに取れましたよ」と言って見せてくれる。
普段、むっつりしてるくせに、このときばかりは
奥田瑛二似の素敵な笑顔を見せるからたまらない。

それにしても歯科助手の奥さまはうがいのときに何で
「ぐじゅぐじゅぺってしてくださいね」って言うのだろうか……。
私、32歳の立派な大人ですのに。

【今回の戦績】
彼の顔を凝視するたびに微笑まれ骨抜き状態に。
言い訳のできない、完全なる敗北だ。
ちなみに今回の治療後は-1.4キロ(マジ2)
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2008/09/10(Wed)

【思想】自己防衛本能を開花させよ

日本も十分危険な国になってしまいましたが、
渡英するにあたり、だらけきった「危険を察知する力」と
「自己防衛本能」をたたき起そうと思っています。


とはいえ、私はほかの人たちよりも上記2つの能力は長けていると思う。
ご存知の方もいるかと思うが、私は何しろ激しくマニア受けする。
20代前半のころはAV女優や風俗に結構ひんぱんにスカウトされていた。
とりわけ美しくもないし、かといって男性受けする体でもないのだが、
スカウトマンによると「大丈夫! 君はマニア受けするから」ってことらしい。
(大丈夫ってところがむかつくんだよな)

【そのほかの被害事例】
●電車から降りるタイミングで胸をわしづかみ
(私は被害者なのにご本人からは舌打ちされました)
●チャリで併走してきたと思ったらスタント顔負けの華麗なる飛び掛かりを決めてきた
●女性からストーカー行為を受け、無理やり唇を奪われた(残念ながら、そちらの趣味はない)
●必死の形相で「パンツください」

上記に加えて、最近では後ろからつけてきたと思ったら
暗がりに引っ張られ、抱きつかれたうえ「生きているのがつらいんだ」
なんて名言を吐いてくれた人もいた。

こんな経験があるので、まっとうな人間のように見える人でも、
どこかおかしいところがあるとニオイで分かるようになった。
危険な状況になったら、変に冷静に対処できるようにもなった。
無駄な能力だと思っていたが、海外に行くことになった今、
これは最も重宝する能力ではないかと思っている。

※でも、実は日本のほうがロンドンより危険ではないかと思う。
だって、信じられないような凄惨な殺人事件が多いじゃないですか!
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2008/09/10(Wed)

【日常】歯医者に行こう

実は歯医者に行くのは7年ぶりだ。


正直、歯医者のすべてが嫌いだ。音も、においも、雰囲気も、何もかも。
そして、小心者の私は「痛かったら手を挙げてくださいね」と言われても、
決してそれを実行することができない。
嫌な汗が首から背中に伝わるのを感じながら、痛みにひたすら耐える。
それゆえ治療後は体重が約1キロは減っている。
あるいはあまりの恐怖に興奮しすぎて、治療中に鼻血を出すことも度々あるのだ。

【恥ずかしい大人になりたくない】
何しろ7年ぶりだから、どこがどう悪いのかを検査することからはじめる。
母曰く「あんたは磨き方が雑だから、10本くらい虫歯あるんじゃない」とのことだったが、
結果はなんと! 小さな小さな虫歯が一本だけ! 7年ぶりなのに!
ただ、歯石はあるらしく、それを3回に分けて取り除くことになった。

……私は忘れていた。歯石取りこそが痛いということを。
もしかしたら恐怖が痛みを倍増させているのかもしれないが、
キュイ~ンという耳障りな音をたてながら、歯と歯の間を攻めてくる度に、
頭のてっぺんから足の先まで串刺しにされたようにピーンとした痛みが襲う。
「痛かったら手をあげてくださいね」
出たよ。お決まりのセリフだ。挙げたところで痛みは変わるのかよ。
心の中で悪態をつくも、あまりの痛みに生まれて初めて手を挙げてしまった。
しかし……


「大丈夫ですよ~」
歯科医は一瞬手を止めてこう言うだけで、何か特別な対処をしてくれるわけではなかった。
勇気を出して手を挙げた私の気持ちをどうして分かってくれないのか。
怒りと情けなさで体がわなわな震えだす。
それを恐怖と受け取った歯科助手であり、医師の奥さまが
「あとちょっとの辛抱ですからね~。がんばりましょうね~」
ダダをこねる子どもをあやすような優しい口調で語りかけてくださった。


あれ? もしかして私ってば恥ずかしい大人?
なんて思ったら途端に意地っ張り精神が全面に出てきちゃって。
痛みと恐怖と戦いながらも、何とか日頃の妄想力を駆使して、
初回の治療を終えたのである。

【今回の戦績】
7年ぶりながら虫歯一本という快挙を成し遂げたものの、
歯石取りで精神、肉体ともにコテンパンになるまでやられる。
治療後は-1.5キロ(マジ)
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2008/09/10(Wed)

【パース編】食事も満足にできない

バスを乗り間違えておきながら運転手に逆ギレし、
フリーマントル駅に向かうバスが通る道まで案内してもらう。
という非常識きわまりない行動をしてしまった私。
多少、罪の意識は感じていたが、フリーマントルへ行けるという喜びで
気持ちとは裏腹、顔は終始にやけていたように思う。

パースは冬の季節にありながらも、太陽の暖かさは日本の春か初夏であり、
紫外線は日本の真夏かそれ以上。日焼け止めを塗っているのに、
じわりじわりと焼けている感じがして、急いで上着をはおることも度々。
何でもオーストラリアは南極圏でのオゾンホールが広がっている地域に属するらしいです。
人間はもちろん生物への影響も深刻になってくるのでしょうか。
空や木々、海があれほど美しい国はそう無いと思います。
オゾンホールの拡大はなんとか食い止めたいものですね。

バスに乗ってしばらくすると、次第に人が増え、お店が増え、にぎやかさが増してきた。
「ディスタウンイズフリーマントル?」
あまーいチョコレートをくれたおばちゃんはにっこりと微笑みうなずく。
おお! 愛しいフリーマントルよ! 私はようやくお前に会うことができた!
思えば遠き道のりだったなあ……と思わず感慨深くなってしまう。
駅まで行くよりも、多くの人が集うこの場所で降りてしまえ!
もう勢いだけでバスを飛び降りる。
よっぽどウキウキしていたのか、運転手が笑顔で「楽しんできてくれよ」と声を掛けてくれた。
もちろん返す言葉は「サンキュー」、そして笑顔、それだけ。

【小渋谷?なフリーマントル】
フリーマントルは若者が多く集う、にぎやかな街だった。
帽子やストール、アクセサリーなどカワイイ雑貨をそろえたお店、
アンティークな家具、お皿など見るも楽しい物がずらり揃ったお店、
ちょっと高級そうな服や若い子たち御用達のような安い服のお店などなど。
日本で言うと渋谷をもうちょっと小規模にした感じなのかもしれない。

そして、それらのお店以上に軒を連ねていたのがカフェ。
通称「カプチーノ通り」のお店のほとんどはオープンカフェになっていて、
おじちゃんもおばちゃんも、お姉ちゃんもお兄ちゃんも、
でっかいスイーツやサンドイッチなどを食べたり、コーヒーを飲んでまったりしている。
その様子を眺めているだけでも、何だか楽しくてウキウキしてくる。
よく考えれば日本でも同じようなことができるのに、
外国にいるというだけですべてが違ってみえるからフシギだ。

しばらくウロウロしていると、トランペット、トロンボーン、サックスを持った
3人組が路上で演奏をしていた。これは日本でもよく見られる光景だが、
フリーマントルでは人々が彼らを取り囲み、ある人は笑顔で、
ある人は彼氏と踊ったりしながら楽しんでいた。
ぽかぽかと暖かな日差し、見上げた空はどこまでも青く澄んでいる。
人々は皆笑顔で、なんとシアワセな国なんだろうか!

【食事にありつくのも難しい】
すべてのものにひとしきり感激をしていると、お腹がごろごろ鳴り出した。
気付けばお昼をとうに過ぎていた。緊張感で空腹を忘れていたのだろう。
それを思い出した途端、猛烈な空腹感に目眩を覚えた。
……せっかくだからカフェでお食事をしよう。
語学が心配ながらも、コーヒーとサンドイッチを頼むだけ。何とかなる。
そう思い、近くにあった雰囲気の良いカフェに入る。

「ぺらぺらぺらぺら」
頬にたくさんのソバカスがある、いかにも陽気なお兄ちゃんが笑顔で私に話しかけるが、
何を言ってるかさっぱり分からない。言うべき言葉も見つからず、
窒息状態の魚同様、口をぱくぱくするばかり。
笑顔のお兄ちゃんはとうとう困った顔になってしまったので、
目に付いたサンドイッチを指差しながら「ディスワンプリーズ、アンド、コーヒープリーズ」。
「コーヒー」のところではジェスチャーも加えてみた。情けないが、今の私はこれくらいしかできない。
困り顔のお兄ちゃんはパッと笑顔になり、用意をしてくれた。
合計金額もよく聞き取れないので、適当にお金を差し出したら、足りない様子。
もう何が何だか分からず財布を見せながら「ここからよしなに取ってくれ」とジェスチャー。
本当に情けないったらありゃしない。

そんなわけで食事にありつけたときには、疲労感でいっぱい。
私は食事のオーダーすらも満足にできないのか……
自分のふがいなさと屈辱感で大好きなサーモンの味はかすんでしまっていた。
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2008/09/10(Wed)

【パース編】非常識な日本人

人は認めたくない現実にぶつかったとき、一瞬ではあるが現実逃避を試みるのだと思う。


私の場合はぎゅっと目をつぶった後、見開くことにしている。
これは「夢であればいい」と願いながら目をつぶり、
見開くことで「夢から覚めればいい」と願っている。
もちろんこの方法で認めたくない現実が夢だったことは一度として無い。

何度も目をパチパチしている私を見た運転手は怪訝な顔をしながら「降りないのか?」と聞いてくる。
こんな何もないところで降ろされたらたまったもんじゃない!
「私はフリーマントルに行きたいんだ! こんなところでは降りたくない。何とかしてくれ!」
勝手に乗り間違えておいて、この逆ギレっぷり。
運転手も先ほどまで目をしばたいていた日本人が突然キレ出して、
どうしていいか分からず様子だ。……彼の困惑もごもっともである。
彼としては経路を間違えることなく乗客を送り届けるという仕事を
しっかりとこなしているだけなのに、何故怒られなければならないのか。

でも、ここで降ろされたら、この先に待っているのは「死」だと考えを飛躍しまくっていたので、
私としても引き下がるわけにいかない。何としてでもフリーマントルに行かねばならないのだ。
「私は間違いをおかしてしまったんです。お願いです。助けてください。あなたを信じています」
逆ギレがまったく通じなかったので、弱々しくすがってみた。
それでも彼は困り顔である。
もごもご独り言を繰り返しながら、彼のシンボルとも言える口ひげを触る。
「……助けてください」
消え入りそうな声でお願いしたこの一言が、彼に通じたようだ。

彼は私の顔を見て大きくうなずくと、無線機でなにやら喋りだした。
それからまた私のほうを見てにっこり笑うと「何も心配はいらない」と言い、
再びバスを走り出させたのだ。
「サンキュー! アイムベリーハッピー」
命の危機(大げさ)から救ってくれたという感謝の気持ちを現すには不十分だが、
これしか知らない私は言葉を覚えたばかりのオウムのように、
何度も何度も言い続けたのであった。

【パースでも自虐ネタ】
何分か走り続けた後、運転手は突然バスを停止させた。
あまりに突然だったので、椅子から転げ落ちそうになるのを何とかこらえる。
何事かと思って運転手のほうを見ると、彼はしきりに前方を指差す。
その指し示されたほうを見ると、一台のバスが停まっていた。
そして、そのバスの行き先は「フリーマントル」!!!!!!
今度は「フリーマントル もじゃもじゃもじゃ」と別の単語がついていない!
同じフリーマントルでも、私の目指すべきフリーマントルに行くバスだったのだ!!!

彼としては経路を逸脱しすぎるのはまずい。
だけど、このみすぼらしく、哀れな日本人を救いたい。
だったらフリーマントルに行くバスが通る場所まで連れて行こう。
想像でしかないが、おおよそこんなところだと思う。何と優しい人だ!

「サンキュー!!!」
陳腐すぎる感謝の言葉を何度も何度も彼に伝え、
私の合流を待ちかねているバスまで駆け寄った。
あんまりに慌てすぎたのか、途中で足が自らの足に絡まり転んでしまった。
(運動できない人の典型的な転び方。自分で自分を転ばせるという高等技術だ)
恥ずかしくて運転手のチラリと見ると、彼は大笑いをしていた。それほど滑稽だったのだろうか。
オーストラリアでも体を張って笑いを取るとは思わなかったが、
少しでも楽しい気持ちになってくれたら幸いだ。

なおも笑い続ける彼にぶんぶん手を振った後、停車中のバスに乗り込む。
この運転手もにこにこ笑っている、乗客を見てもにこにこ笑っている。
日本だったら人を待つために何分も停車するなんてことは考えられない。
もしかしたら日曜日で乗客が少なかったから待っていてくれたのかもしれないが、
それでも私は人の優しさというものに触れ、いたく感動してしまったのである。


ちなみに……
私のそばに座ったおばあちゃんがニコニコ微笑みながら、チョコレートを2つくれた。
全速力で走り、息があがっている私を気の毒に思っての行動かもしれない。
それは本当に嬉しい。本当にありがたい。本当に感動してしまう。
が、私は外国のチョコレートやスイーツが何よりも苦手なのだ。

でもね、もらっておいて食べないわけにいかないでしょ?
おばあちゃんはニコニコ微笑んで、なおも私の顔を見ているわけだし。
だから勇気を振り絞ってチョコレートを口に入れてみた。
……思った通り、やけつくように甘い。中にはどろりとした液状の
これまた舌がしびれるほど甘いものが入っている。

「サ、サ、サンキュ~…。イッツベリーデリシャス」

……外国でもお世辞って必要だ。



※今回、私は運転手に懇願することで危機(そうでもない)を脱したましたが、
今思えば、何とも軽率な行動だったと反省しております。
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2008/09/10(Wed)

【パース編】遠き道のり

初老の女性と別れた後、次なる目的地フリーマントルを目指すべく
バスターミナルをぐるぐる徘徊する私。

それを見ていた40代くらいのおじちゃんが
「きみは何がしたいの? どこに行きたいの?」と聞いてくる。
いかにも英語ができなそうに見えるのか、ゆっくりと小さな子どもに言うように語り掛ける。
今の私には非常にありがたい気遣いだ。

「アイゴートゥーフリーマントル!」
お決まりの言葉を彼に伝える。もっと気の利いた言葉を言いたいところだが、仕方ない。
「オオ! フリーマントル! もじゃもじゃもじゃもじゃ」
フリーマントルが彼にとってそんなにもいい場所なのか。
先ほどの口調とは違い、興奮した様子でフリーマントルについて語っていたが、
私があんまりに無反応であることにやる気をなくしたのか、
「いい旅を」というようなことだけ言うと、その場を立ち去ってしまった。
てっきり彼が行き方を教えてくれると思っていただけに、
拍子抜けした私は、しばらく宙を眺め、遠くの日本を思い出していた。

「どうしたの?」
再び他の人から声がかかる。今度は女性だ。
パースの住人は困っている人がいたら放っておけないのだろう。いい街だ。
「アイゴートゥーフリーマントル…… アイドンノウ……」
先ほどの失敗を繰り返さないよう、今度は自信なく小さな声でつぶやく。
あらあらあら、大変だ。というような顔になった彼女は、
私の手を取ると、バスターミナルとは反対の方角にある
電車のホームにつれていこいうとするではないか。

いやいやいや、違うって。
私はバスの乗り放題チケットしか持ってないからさ。
(実際はバスも電車も乗れます。私が知らなかっただけ)
なんてことは当然彼女に伝えることはできず、後ろからおずおずついていくばかり。
親切な彼女に別れを告げた後、彼女に見つからないよう、
再びバスターミナルに戻る情けなさったら無いですよ、本当に。

【目的地はどこだ?】
バスターミナルに戻ると、バスの目的地が書かれたボードを発見した。
最初からこれを見ておけばよかったんだ。
己の注意力の無さ、視野の狭さを呪った直後、
「これもまた旅の醍醐味よねー」と気持ちを切り替える。失敗はつきものなのだ。
さて、ボードを見ると「フリーマントル」を目的地としたバスは確かにあった。
あったが、困ったことに2つもある。どちらも「フリーマントル ほにゃほにゃほにゃ」。
この「ほにゃほにゃほにゃ」がさっぱり分からない。

首をひねっていると、ターミナルに「フリーマントル ほにゃほにゃほにゃ」に向かう
バスが到着している様子が見えた。焦って駆け寄る(今日は走ってばかりだ)。
「ディスバスゴートゥーフリーマントル?」
乗り込む際に運転手に行き先をしっかり確認する。うん、冷静だ。
「もじゃもじゃもじゃもじゃもじゃもじゃ」
「!!!」
てっきり「イエス」か「ノー」の簡単な返答が来ると思っていたのに、
運転手は何かをしきりに伝えようとしている。……分からぬ。お前は何が言いたいのだ。
「もじゃもじゃもじゃもじゃもじゃもじゃ」
なおも語り続ける運転手を前に、私はあっけなく白旗をかかげる。
もう良い。語らなくて良い。私はお前についていく。

聴き取りをあきらめた私はメルセデス社製のバスに今日二度目の乗車をする。
乗っている人は小学生くらいの双子の中国人、
あごひげを胸のあたりまで伸ばした仙人風の中国人、
一番後ろの席で目を鋭く光らせキョロキョロしている白人、
そして優しい笑顔で私を見つめる白人のご婦人。計5名だ。
後ろの席の白人はいかにも怪しいので、私は迷わずご婦人のそばに座った。
「いい天気ね。フフ」
ほんわりとした口調にこちらまで笑顔になってしまう。

【レーサー気どりの運転手】
パースの運転手の運転は非常に荒い、荒すぎる。
人にもよるかもしれないが、少なくとも、この運転手は異常だ。
まず、カーブでブレーキをほとんどかけない。
タイヤは「もうたまらん」と言いたげにキュキュキュと派手な音を鳴らし、
そして車体は冗談抜きに横転しそうになりながら曲がるのだ。
そのたびに私は「ヒ、ヒ、ヒエ~」と情けない声を出してしまう。

おまけにバス停が近づき、乗客がいると分かった途端、
この運転手は20m手前であってもドアを開けてしまう。
双子がドアの近くの席に座っていたので、カーブに差し掛かったら
バスから落ちてしまうんじゃないかと心配になってしまった。
ただ、どんな状況でも驚愕していたのは私一人だけ。
ほかの乗客はのんびりとしているのだ。慣れってコワイなあ。

バスの運転にハラハラしていると、すぐそばにいたご婦人のカバンから携帯の着信音が鳴り出した。
日本ではバイブ設定にしていないと、「切っとけよ」という痛い視線を浴びることになるのだが、
皆、特に気にする様子もない。これもまた日常のワンシーンのようだ。
お国が変われば、考え方も違うのだなあと関心していると、
ご婦人は携帯を切るのではなく、ものすごく大きな声で話し始めたのだ。
もちろん、皆、まったく気にしていない。
友人によるとバスでも電車でも携帯で話すことはマナー違反ではないという。
日本はちょっと過剰すぎるのかしら? でも、ペースメーカーが狂ったりしないのかな?

【残酷な現実】
何度も横転しそうな怖さを味わうも、次第に慣れてしまった。
明らかに日本よりも強い紫外線が気にはなるが、
ぽかぽかの暖かな日の光に眠気を覚えた私は、
シティ行きのバスで出会った初老の女性に注意されたにも関わらず、再び熟睡してしまった。

時間にして30分くらいだろうか。
運転手のやたらと大きなダミ声でたたき起こされるように目が覚めた。
「終点だよ。早く降りとくれ」
眠い目をこすりながら、外を見るとそこは人々で賑わったフリーマントルの街だった。


……という私の期待はあっさり裏切られた。
目の前には様々なお店が並ぶ代わりに、墓地が広がっている。
人で賑わうどころか、人の姿はどこにも見当たらない。
一瞬、まだ夢を見ているのかと思った。こんなイヤな夢なら早く覚めて欲しいとも思った。
しかし、これは紛れも無い現実である。
……そうなのだ。私はバスを乗り間違えてしまったのだ。


「おーい。どうした? 終点だよ」
ダミ声がどこか遠くで聞こえた気がした。
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2008/09/10(Wed)

【パース編】バスに乗るのも一苦労

雨の集中攻撃に合い部屋で呆然とするも、あまりの寒さにはっと我に返る。

「こんなことしてる場合じゃない!」
落ち込むのも早ければ、立ち直るのも早い。
気分屋だと言われようが、この性格は実は結構好きだ。
とにもかくにもずぶ濡れの服を脱ぎ、熱いシャワーを浴びる。
ふとシャワールームに日の光が差し込んでいることに気付いた。……晴れてる?
こうなったら長居は無用。バスタオルを体に巻きつけ、外を見る。

「!」
晴れている。しかも快晴だ。
この変わり身の早さは私自身に通じるところがあるように思う。悪くない。
すぐさま身なりを整え、ネットに興じる姉妹に
「アイゴートゥーフリーマントル。シーユー」
まだまだぎこちない笑顔を浮かべ、あいさつもそこそこにバス停に走る。
出発まであとわずかなはずだ。


【バスのチケット、買えるかな?】
必死で走るとバスは今まさに出発しようというところだった。
運転手に見えるよう手をブンブン振り回して、「乗りたい」とアピールする。
私の存在に気付いたように運転手は「あっ」という顔になり、
閉じたばかりのドアを開ける。いい人でよかった。

運転席におさまらないんじゃないかってくらいヨコにもタテにも大きな運転手は、
上まぶたの肉の重みで細くなった目をより細めて、
「ハロー、ほにゃほにゃほにゃ」と激走しすっかり息の荒くなった私に声をかける。
「ぜーはー、ぜーはー、ハ、ハ、ハロー」
物言わぬ日本人ではないことを証明しようかと思うも、息が整わない。
そんな私を見て、彼はさもおかしそうに笑う。

そして、私が落ち着いたところで彼は「どこまで行くのか」というようなことを聞いてきた。
フリーマントルに行くには、まずはシティに出なくてはならない。
それから乗り換えをするのだが、いちいちお金を支払っていたら高くつく。
そこで、1日乗り放題のチケットの出番だ。
現地ではDay Riderと呼ばれていて、$8.10ですべてのバス、電車が乗り放題になるのだ。
※ちなみにバスはゾーン制になっていて1~8まで分類されている。
2ゾーンのチケットを乗車時に購入して、途中下車しても30分以内だったら乗り放題となります。


「デイライダープリーズ」
自信を持って大きな声で答えたが、運転手は「?」という顔で私を見つめる。
発音が悪いのか、もしくは聞き取れないのかと思ったが、何度言っても通じない。
乗客を待たせている手前、長いことやり取りをしていられない。
が、1日乗車券は何としてでも手に入れたい。私は今日、長距離移動をするのだ。
「アイホープトゥワンデイチケット、プリーズ」
苦し紛れで言ったこの言葉が何故か通じた。気迫が伝わったのだろうか。
それにしてもバスのチケット一つ買えない、この英語力の低さはいかがなものか。

少々固いシートに身を落ち着かせた途端、安堵してしまったのか、
見知らぬ国だというのにあっという間に熟睡してしまった。
誰かにユサユサ体を揺られて起きると、すでにバスはシティに到着していた。
私を起こしてくれたのは上品そうな初老の女性だった。
カバンを指差しながら何かをしきりに伝えようとする。よーく聞いてみると、
「パースは安全だけど、カバンはしっかり持っていなきゃダメよ。盗まれちゃうわよ」
というようなことだった。
女性はよだれをたらしながら熟睡している私を心配に思ったのか、
隣に座り、ガードしてくれていたようだ。本当にありがたい。
が、その感謝の気持ちを伝える言葉は「サンキュー」しか知らない。歯がゆい。

その女性と別れて、次は目的地フリーマントルだー! 待ってろよー!

……しかし、このとき私はまだ知らなかった。
Day Riderがあればバスも電車も乗れることを。
それゆえ、旅行初日で大変なミスをおかしてしまうことを……
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2008/09/10(Wed)

【パース編】バスに乗るのも一苦労

雨の集中攻撃に合い部屋で呆然とするも、あまりの寒さにはっと我に返る。

「こんなことしてる場合じゃない!」
落ち込むのも早ければ、立ち直るのも早い。
気分屋だと言われようが、この性格は実は結構好きだ。
とにもかくにもずぶ濡れの服を脱ぎ、熱いシャワーを浴びる。
ふとシャワールームに日の光が差し込んでいることに気付いた。……晴れてる?
こうなったら長居は無用。バスタオルを体に巻きつけ、外を見る。

「!」
晴れている。しかも快晴だ。
この変わり身の早さは私自身に通じるところがあるように思う。悪くない。
すぐさま身なりを整え、ネットに興じる姉妹に
「アイゴートゥーフリーマントル。シーユー」
まだまだぎこちない笑顔を浮かべ、あいさつもそこそこにバス停に走る。
出発まであとわずかなはずだ。


【バスのチケット、買えるかな?】
必死で走るとバスは今まさに出発しようというところだった。
運転手に見えるよう手をブンブン振り回して、「乗りたい」とアピールする。
私の存在に気付いたように運転手は「あっ」という顔になり、
閉じたばかりのドアを開ける。いい人でよかった。

運転席におさまらないんじゃないかってくらいヨコにもタテにも大きな運転手は、
上まぶたの肉の重みで細くなった目をより細めて、
「ハロー、ほにゃほにゃほにゃ」と激走しすっかり息の荒くなった私に声をかける。
「ぜーはー、ぜーはー、ハ、ハ、ハロー」
物言わぬ日本人ではないことを証明しようかと思うも、息が整わない。
そんな私を見て、彼はさもおかしそうに笑う。

そして、私が落ち着いたところで彼は「どこまで行くのか」というようなことを聞いてきた。
フリーマントルに行くには、まずはシティに出なくてはならない。
それから乗り換えをするのだが、いちいちお金を支払っていたら高くつく。
そこで、1日乗り放題のチケットの出番だ。
現地ではDay Riderと呼ばれていて、$8.10ですべてのバス、電車が乗り放題になるのだ。
※ちなみにバスはゾーン制になっていて1~8まで分類されている。
2ゾーンのチケットを乗車時に購入して、途中下車しても30分以内だったら乗り放題となります。


「デイライダープリーズ」
自信を持って大きな声で答えたが、運転手は「?」という顔で私を見つめる。
発音が悪いのか、もしくは聞き取れないのかと思ったが、何度言っても通じない。
乗客を待たせている手前、長いことやり取りをしていられない。
が、1日乗車券は何としてでも手に入れたい。私は今日、長距離移動をするのだ。
「アイホープトゥワンデイチケット、プリーズ」
苦し紛れで言ったこの言葉が何故か通じた。気迫が伝わったのだろうか。
それにしてもバスのチケット一つ買えない、この英語力の低さはいかがなものか。

少々固いシートに身を落ち着かせた途端、安堵してしまったのか、
見知らぬ国だというのにあっという間に熟睡してしまった。
誰かにユサユサ体を揺られて起きると、すでにバスはシティに到着していた。
私を起こしてくれたのは上品そうな初老の女性だった。
カバンを指差しながら何かをしきりに伝えようとする。よーく聞いてみると、
「パースは安全だけど、カバンはしっかり持っていなきゃダメよ。盗まれちゃうわよ」
というようなことだった。
女性はよだれをたらしながら熟睡している私を心配に思ったのか、
隣に座り、ガードしてくれていたようだ。本当にありがたい。
が、その感謝の気持ちを伝える言葉は「サンキュー」しか知らない。歯がゆい。

その女性と別れて、次は目的地フリーマントルだー! 待ってろよー!

……しかし、このとき私はまだ知らなかった。
Day Riderがあればバスも電車も乗れることを。
それゆえ、旅行初日で大変なミスをおかしてしまうことを……
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2008/09/10(Wed)

【パース編】雨に泣く

広い部屋の隅でひざを抱え、うずくまっているとトビラをノックする音が聞こえた。友人だ。


「今日はどうする? 到着したばかりだから疲れたんじゃない?
私は今日、仕事があるからのんびりしてたら?」
彼女からのありがたい申し出ではあったが、私はどうしても行きたいところがあったので
「いや、今日はお昼くらいからフリーマントルに行ってみるよ」と強い意志で宣言してみた。

旅のバイブルである『地球のあるき方』によると、フリーマントルという場所では、
毎週末にぎやかなマーケットが開かれているという。
「カプチーノ通り」とよばれる街路沿いには、オシャレなカフェもいっぱいあるんだとか……
偶然にも到着日は日曜。これは行けという神のお告げだろうと勝手に解釈していた。

そんな気持ちを当然知るよしもない友人は目をまん丸にしながら、
「え~!!! さっき到着したばっかなのに!」と驚いていた。
フシギと疲れはなかった。きっと10年ぶりの海外旅行で興奮状態にあったのだろう。

少々の仮眠を取った後、友人と軽く朝食を食べていると、
2階から誰かが降りてくる音が聞こえた。
音のほうを見ると、背が高く、スリムな体型の女性が現れた。
この家の住人、2人の姉妹の姉である。
「グッモーニン!」
ゆるやかなウェーブがかかった茶色い髪に、マスカラもビューラーもいらない睫毛と大きな目。
スッと伸びた高い鼻、そして私の半分くらいの小さな顔。
口角がきりっと上がった口元から発せられる声はやや低音ではあるが、
よく通り、かつ明瞭。まるで彼女の意思の強さをあらわしているかのようだ。

うらやましいなあ~と思い見つめていると、彼女もこの見知らぬ日本人を
好奇心に満ちた目で見つめてきた。自己紹介をしなくては!
そう思ってはいても、なかなか言葉が出てこない。
海外ではあまり受け入れられない「あいまいな微笑み」を浮かべるばかり。
すると友人が「この子は私の友達で、今日日本から到着したばかりだ」と紹介してくれた。
更に「今日到着したのに、フリーマントルに行くって言うんだよ」と付け加えていたらしく、
それを聞いた彼女も「どひー」と言う驚きの表情をしながら、
なおもあいまいな笑顔を浮かべる日本人を見つめていたのだった。



朝食を早々に済ませた後、仕事の時間が迫っている友人と外に出る。
フリーマントルに行くためのバス乗り場を確認するためだ。
友人とは途中で別れ、「すぐそこだよ」というバス停を目指し歩く。
朝の雨が空を浄化したのだろうか、どこまでも青く、澄んでいる。
冬だから外気温は低いものの、降り注ぐ太陽の光はあたたかで優しい。
単純なようだが、これだけでパースという街が好きになった。

バス停もすぐに見つけ、乗る時間を確認。
ついでだからと海に行こうと思ったとき、突如、空があやしく曇りだす。
「あっ。これはまずい」そう感じるや否や、空から大量の雨が降ってきたのだ!
それこそ「バケツをひっくり返したような」という表現にふさわしい、雨。
「すぐそこ」だからと思い、傘なんて持ってきていない。
走って帰るも、ずぶ濡れになるのは必至。
でも、それでも、一刻も早く帰らねばと必死の形相で走る、走る、走る。

家の前に到着したときは、案の定、ずぶ濡れ。
髪も、服も、それこそ下着も、すべて。
本当に哀れとしか言いようがない姿で現れた日本人を
この家の住人である姉妹は驚きの表情で見つめる。
「ベリーストロングレイン、ジャージャー(激しく降る様子を口とジェスチャーで表現)。
アンビリーバブル、サプライズ」
どうにか状況を伝えようと試みるが、
まったく意味のわからないことを口走ってしまう。

「???」な表情の姉妹に「ノープロブレム。サンキュー」と告げ、
その場を足早に走り去る。とにかく寒かったし、ショックだったのだ。

そう、私は日本国内では晴れ女としの自信があった。
旅行をはじめささいな用事であっても、滅多に雨は降らない。
降ったとしても私が外を歩いているときは止むのだ。
それがオーストラリアでは通用しない。
むしろ「雨女」と言ってもいいかもしれない。

その事実を突き付けられ、またしても茫然とするばかりだったのだ。
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2008/09/10(Wed)

【パース編】夢の世界

気の強い彼女と別れた後、シャトルバスは雨のパースをひた走る。

運転手のおばちゃんとの間に会話はなく、何となく重い沈黙のような気もしたが、
バックミラー越しに見えるおばちゃんの顔はどことなく疲れていたので、
(私を探しまわり、若い彼女のテンションに振り回されたのだからムリもない)
下手な英会話を駆使するのではなく、シートに身をうずめながら黙って外を眺めていた。
当たり前だが、商店の看板はすべて英語。
そんな当たり前のことを見てはじめて、外国に来た実感が持てたように思う。

パースには日本のような超高層ビルが都市部でもあまり見られない。
ましてや住宅街ともなればスーパーであっても2階、もしくは3階程度の低層なので、
見上げる空はとても広いのだ。街灯があまり無いところを見ると、
夜の星空はきっときれいなんだろうと得意の妄想を広げていた。

すると、シャトルバスの隣を大きなバスが並走してきた。
朝8時をまわるかまわらないころだったので、さすがに乗客は少ない。
ぼんやりバスを眺めていると、うつらうつらした若いママに抱えられた
1歳くらいのカワイイ男の子と目が合ってしまった。
好奇心に満ちたまんまるの大きな目に、真っ白な肌。
年齢を重ねるごとに子ども好き度がアップしている私としては
たまらなく嬉しくなって、にっこり微笑む。

するとどうだろう。
今まで上機嫌な様子の男の子は火がついたかのように激しく泣きじゃくるではないか!!!
びっくりしたのは若いママである。
おとなしくしていた我が子がいきなり泣き出したのだから堪らない。
いくら乗客が少なくとも、彼女としては気まずい思いをしたのではないだろうか。
……でも、何で? 私が原因か?
日本では赤ちゃんに嫌われたことは無いのに(たぶん)……

気持ちが沈みそうになったとき、運転手のおばちゃんがもじゃもじゃ言い出し、
前を見ろと言わんばかりにフロントをしきりに指差す。
何事かと思い前を見ると、そこには大好きな海が広がっていた。

友人の住む場所がビーチのそばだと聞いていたから、
恐らく彼女は海を指し示すことで目的地が近いということを言いたかったのだろう。
「サンキュ~。アイムベリーハッピー! アイラブオーシャン」
低レベルの語学力で感謝の気持ちを表現するには、これが限度か。
ホームの日本であれば
「今さあ、子どもに泣かれちゃってへこみかけたんだよ。
海を見たらそんなことも忘れちゃったよ。本当に有難う」
と言えるところなのに。何という歯がゆさ!

そんなことを悶々と考えていると、いかにも重そうなリュックを背負い、
小回りの利きが悪そうなスーツケースを引きずっている日本人女性がいた。
見る限り旅行者ではない。友人同様、在住者なのだろうか。
それにしても朝早くから彼女は何をしているのだろうか。
疑問に思いながらも、それでも心は右手に広がる海に釘付けだ。
距離はあるものの、透明度の高い水は私の心をつかんで離さない。
何でもここら辺のビーチはサーファーが好んでやってくるような絶好のポイントらしい。
私もサーフィンが出来るのならばやってみたいところだが、泳げない。
おおよそ眺めるだけで精一杯だろう。

もっと見えないものかと窓ガラスに顔をぴったり寄せていると、シャトルバスは急停車した。
(そのおかげで顔をいささか強く打ってしまったが)どうやら目的地に到着したらしい。
さて、友人はどのような家に住んでいるのかなと姿勢を正して、見てみると……


ビーチの間の前に建つ、その家は、見るからに大きく、そして広く、
周囲と比べても一番じゃないかというくらいの豪勢なものだったのだ。


道路に面した部屋の全面がガラス張り、玄関は天井が高い吹き抜けで、
リビングは巨大なテレビ(50型くらい?)が小さく見えるくらいに広い。
また、ダイニングから見える中庭(?)にはプールはもちろん、バーカウンターが設置されている。
更に部屋は私が把握している限りでは6部屋はあったように思う。
(もちろん見えていない部分もあるので、それ以上あるはず)
ここの家の住人からしたら、日本の我が家は物置程度だろう。

滞在用の部屋に通されてまたビックリ。
天蓋付きの大きなベッド、シャワー、トイレ付きだ。
ビジネスホテルよりもずっと広く、居心地が良い。

……こんなところにいていいのだろうか。
根っからの貧乏性の私は呆然となりながら、広い部屋の隅で小さくうずくまっていたのだ。

※友人はとあるご家族の家の一部をシェアして住んでいます。
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2008/09/10(Wed)

【パース編】赤い物体と変な日本人

そういえば入国審査と税関。

地球の歩き方によるとオーストラリアはゆるいらしい。
英語力の無い私でも大丈夫だろうと気楽な気持ちで順番を待つ。
(ちなみに彼は腹を下してトイレに行っていたのだ)

ところが。
私の前の日本人はいかつい入国審査の人に何度も詰め寄られ、
挙句の果てに別室に呼ばれてしまったのだ!
これですっかりびびってしまい、もう大変。
パスポートの写真と顔を見比べる彼の目にびびり、
彼が言葉を発するたびにびびり。
そんな私を気の毒に思ったのか、彼はにっこり微笑みパスポートを手渡してくれた。

……あれ? こんなもん?
すっかり拍子抜けしてしまった。
普通の女性のように見える彼女は一体どのような人物なのか。
国内での犯罪歴があるのか、はたまた整形による顔の変化を突き詰められたのか?(想像)
まあ、良い。私は入国を許されたわけなんだから。

足取り軽く荷物受け取り場所に向かうと、そこは人、人、人、人の山。
どうしてこんなに混雑しているのだろうかと辺りを見回して見ると、
彼らはみんな税関の順番を待っているようだった。
しかも日本からの乗客が私の後ろに控えている。
荷物を早く受け取らねば、税関でどれだけ待たされるか分かったもんじゃない。

ベルトコンベアのゆっくりした動きにいらつきながらも、
あの安っぽい、ところどころほつれの見られるスポーツバックの出現を待つ。
周囲の客が喜んで自分の荷物を受け取るのに、私の荷物は未だに来ない。
そうこうしている間に税関の列はどこまでも長く伸びていく。

ふと視界の外に動物の気配を感じた。
そちらの方向を見やると、どこからやって来たのかカワイらしい
ビーグルちゃんがひょこひょこ歩いているではないか。
税関の重苦しい雰囲気(私だけか?)が一層されるようなほほえましい風景だ。
あとから友人に聞いたところ、このビーグルちゃんは麻薬捜査犬だそうな。
あんなカワイイ顔して、難しい仕事してんのね~と変に感心してしまった。

犬に見とれていたら私の安バックは目の前を通過していた。
慌てて取り上げると、あまりの重さにひざがくだける。
それを見ていた隣のでっかいおじちゃんが、
「ハッハッハ」という豪快な笑いと共に
片手でバックも私もひょいと持ち上げてくれた。
「サンキュー」と慣れない英語を使って感謝の気持ちを伝えると、
おじちゃんはますます満面の笑みになり、「なんてことないさ」と言わんばかりに
私の背中をバンバンたたく。軽いつもりなんだろうけど、マジ痛い。世界は広いねえ。

おじちゃんの助けもあり、長い列にようやく合流した私。
ヒマすぎて辺りを見回して見ると、スゴイきれいなお姉さんなのに、
上下ジャージだったり、キティちゃんのスリッパだったり。
公共の場とは思えないリラックススタイルの人が多かった。
10時間のフライトだもんね。リラックスしたいよね。
分かるんだけどさ、んー…… どうなんでしょう。

さて、税関。
唯一の懸念点は魚の卵を持ち込んじゃダメなオーストラリアに
私は明太子のお土産を持っているということ。
お店の人は大丈夫って言ったから平気だと思っていたが、
案の定、税関の若い女性は包装をビリビリに破り、
真っ赤な物体をビニールごしにグリグリ押しては
怪訝そうな目で私と物体を交互に見つめる。

「せっかくの土産を何すんじゃい」とキレそうになったが、
キレてもどのように伝えたらいいか分からないので、
「it ride on hot rice,very delicious. All Japanese love it.」
(それはあつあつのゴハンに乗せて食べるとうまい。日本人はみんな好きだ)
というようなことをジェスチャー付きで伝えてみたが、伝わらぬ。
若い彼女は眉間にシワを寄せて、ますます怪しむばかり。
なおもジェスチャーを交えて話そうとする私を放置し、
ほかの税関にその物体を聞きに行ってしまった。

まあ、ムリもない。
色だけでも怪しいもんね、明太子って。
ましてや人生経験が少ない(偏見)若い彼女ならば仕方ない。
半ばあきらめかけていたが、ほかの税関から許可されたのか彼女は
無表情に明太子を袋の中にしまっていた。
赤い物体を持った怪しげなジェスチャーをする日本人と認識されたのか、
安バックの中も散々引っかきまわされた挙句、ようやく解放。

何だかぐったり疲れた私は、それでも外に行けば青い空が待っているんだ。
そんな希望に胸を躍らせていたが。
外に出てみれば、どんより曇り空。雨も降っていて、心なしか寒い。
心なしかというよりか、確実に寒い。寒すぎる。
早く迎えに来ているはずのシャトルバスに乗り込まねば。
心は急ぐばかりでも、場所が分からぬ。言葉も通じぬ。

日本から10時間のパースで、雨に打たれながら、
私は心の底から孤独を味わっていたのだ。
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2008/09/10(Wed)

【パース編】見えすぎた本音

人にもよるかと思うけど、私は雨がどうも好きになれない。

……いや、違う。
「落ち込んでいるとき」「不安なとき」の雨が好きになれないのだ。
しとしとしとしと、肩に降り注ぐ雨は、まるで心の闇を大きく、大きくするかのようだ。
パースに到着したばかりの私にとっての雨は、
不安、悲しみ、孤独をこれでもかというほどあおるものだったのだ。

しかし、人間とは強いもの。
これではイカンと思い、ロータリーを駆けずり回る。
フシギなものであれだけ重かったカバンは、その重量が半分になったかのように感じる。
これが火事場のクソ力というものなのか。
そして、ようやくシャトルバスの看板を発見。
友人いわく「空港を出て左にあるよ」というのは本当だった。
彼女の言うことを疑ったわけではない。確かに私は左に行った。
が、その看板は税関でくたびれ果てた私の目に飛び込んでこないほど小さきものだった。

さて、探し続けたシャトルバス。
バスというから大きなものを想像していたが、
実際のそれはステップワゴンのような小さなものだった。
でも、そのときの私にしてみれば「見つけた」という感動が大きすぎて、
車内にバーラウンジがあり、ふかふかのじゅうたんが敷いてある
セレブ仕様のリムジンカーにしか見えなかったのだ(言いすぎ?)。

感動しているところに、わたわたと慌てた様子のおばちゃん登場。
早口の英語で何かを言っているようだが、さっぱり分からぬ。
悪い人には見えないので、にっこり笑顔で
「ハロ~。マイネムイズユキ。アイラブパース」
と、闘う気も、敵意もないことを示す。
シャトルバスを発見した私は無敵だ。引きつり笑顔なんかじゃない。

すると先ほどまで慌てていたおばちゃんの顔はたちまち
オーストラリアの青空のような(見たことないけど)笑顔になる。
なるほど、私が極めて友好的な人物だと認識してくれたのか。と思ったら、違った。
このおばちゃんがシャトルバスの運転手だったのだ。
彼女の言うことを集中して聞いてみると
●シャトルバスで待つもなかなか現れない
●不安に思い出口に行くも、シャトルバスを探している日本人はいない
●名前を呼んでみたがいない
ということで、随分探し回ったようだ。申し訳ないことをした。

お互い出会ったところで出発だ!
というときに気の強そうな日本人の女の子が私たちに歩み寄ってきた。
運転手のおばちゃんの前に立つなり
「ペラペラペラペラ。ペーラペラペラペラ」
私には理解できないくらいのスピードで話はじめる。
しかもジェスチャー付きである。なんだこいつは。
おばちゃんもおばちゃんで私と意思の疎通が取れなかった
ストレスを解消するかのように、これまたものすごいスピードで話す。
2人に置いていかれた私はというと。
なんとか必死でついていこうと若干引きつった笑顔を浮かべながら、2人の顔を交互に見回す。
たまに相槌を打ったりするものの、情けなさは募るばかり。

もうたまらないと思ったときに2人の会話は終了。どうやら日本人も同乗するようだ。
たっぷりマスカラが塗られ、幼い顔には不釣合いな紫のアイメイクを施した
気の強そうな顔つきの彼女は私の隣に座るなり
「どこから来たの? 何しに来たの? あ、観光? 
どのくらいいるの? その荷物だったら1週間くらい?
今は冬だから寒いよね、なんで夏に来なかったの?」
私のことはお構いナシに一方的に喋りまくる。
会話のキャッチボールなんてまるでできない、暴投の連続だ。

その後、彼女自身の話になったのだが、まとめると
●今は25歳
●1年くらいワーホリしてた
●パースが好きで戻ってきた
上記2点につきる。これを語るのに延々20分。
私は車窓に広がる風景を見ていたかったのに。

そして、どういうわけか私は彼女に気に入られたらしく
さかんに連絡先を教えろと言ってくるのだ。
少々迷いはしたが、これも何かの縁。日本から持ち込んだ携帯番号を伝える。
「あなた、友達の家に滞在するんでしょ? その友達の番号も教えて」
……なるほど、そっちが狙いか。
日本人の仲間は一人でも多いほうがいいとは思う。
でも、勝手に教えるのはどうかと思うし、何よりも彼女は厄介な人のように思える。
だから私の判断で友人の番号についてはやんわり断りをいれた。

途端。
彼女はむっとしたような表情になる。
が、それも一瞬、余所見をしたら分からないくらいの瞬間。
でも、私は見逃さなかったもんね~~~
案の序、彼女の連絡先を聞いたところ
「まだ番号を覚えてないんだ。携帯もどっかに閉まって分からない」
と苦しい言い訳を延々と繰り返す。
そして、去り際に「必ず連絡するね」と言って上機嫌を装い、街中に消えたのだ。


で、彼女から連絡があったかというと。
あるわけないじゃん。
まあ、分かってはいたんだけどね。
あそこまで計算している様子が見え見えな人も珍しいもんだね。
よく言えば、素直ってことか?
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2008/09/10(Wed)

【パース編】上空1万メートルの恋

約2週間の妄想旅行を経て、迎えるは出発当日。

お金がないからとスーツケースの購入を断念し、
国内旅行に活躍中のスポーツバックを相棒に。
中身を守るは500円の南京錠のみという
なんとも心もとない相棒ではあるが、金が無いんだから仕方ない。
それに私みたいな人は結構いるでしょうよ。

……時代は変わったのね。
成田に着いてみれば大人も子どももみーんなスーツケース。
私が卒業旅行に行った10年ほど前はそれほどでもなかったように思えるけど?
荷物を詰め込んだスポーツバックを肩にかけて歩くのは
確かに小回りが効いて良い、良いが、
重くなると途端にそれは大きな負担となる。
コロコロがついたスーツケースを引いて歩いている人の顔が
どことなく勝ち誇ったようにも思えるからフシギだ。
(だったら買えよってことなんでしょうけど)

重いスポーツバックを預け身軽になったものの、出発の時間が近づいている。
急いで出国手続きをして、友人に頼まれていた明太子を購入すれば
もう搭乗手続きが開始されていた。落ち着くヒマもない。
もともと飛行機が苦手な私にとって、10時間フライトは想像を絶するものなのだ。
急かされて乗るも、機内のあの変な圧迫感に一瞬目眩を覚える。
そんな私を支えるのは10時間後に到着するであろう
オーストラリアの広大な大地! 
妄想力をこれでもかってほど駆使して、恐怖に打ち勝とうとしていた。

すると、入口の方からヨレヨレの手ぬぐいを首にかけた白人男性が
満面の笑みで歩み寄ってくるのが見えた。
「オーストラリアのことを思い微笑んでいるのだろうか。
あのようにウキウキした人が隣だったら、アレコレ話しかけてきて面倒だなあ」
そう思っていたら、案の定、私の隣だった。まじかよ。
長時間フライトの大半を睡眠で過ごそうと考えていた私は、
前日ほとんど寝ていない。ほとんどというか一睡も、に近い。
それゆえ隣の人とのんきに会話を楽しむ余裕はまるでないのだ。

『話しかけたら殺す』オーラを放っているも、彼は英語圏の人。日本語は通用しない。
にこにこにこにこ。人の良さそうな笑顔で話しかける。
「こんにちは。君はどこに行くの?」
日本語だ。
ていうか、この飛行機はパース行きじゃねーか、分かるだろ。
と言いたいところだが、日米関係に支障が出てはいけないと思い、必死の笑顔で答える。
強力な睡魔により白めがちで、口元は引きつっていたように思う。
が、彼はそれに動じない。
「どこに住んでるの?」「向こうでは何をするの?」
などなど、質問攻めである。しかし、英語と日本語の比率が9:1。
第一声は彼が知る最大限の日本語だったというわけか。

正直、私は彼のことなんて放置して、睡魔に心も体も犯されたかった。
が、正常な動きをしない頭で考えた。
「向こうに行ったら英語が主流なんだから、いい練習になるのでは」と。
それからはつたない英語力で頑張って対応した結果、どうやら彼は
●関西の語学学校の学生
●ニューヨーク在住。マンションからはそれはそれはキレイな夜景が見える
●両親は共にスーパービジネスマンで、言うならば資産家の息子
●学校が終わったからオーストラリア、カナダ、イギリスへ旅行する
という、私とはまるで違った身分のお坊ちゃまだったのだ!

おまけに何ということか、彼は私をニューヨークの自宅に招き、
両親に紹介したいと言うではないか。
うおー。国際結婚! しかも、相手は金持ち!!!!
占い師が32歳で結婚すると予言したのは本当だったのだ!
パースに行く本来の目的をすっかり忘れてしまい、
ただただ愛しい彼の寝顔を見つめ続けたのだった(←コワイ)。


……しかし、そのような下心を持ってはいけないのだ。
恋とは、愛とは純粋であるべきなのだ。

彼と別れた後、彼からもらった連絡先を手帳に納めようと、カバンを探ってみる。
……どこにも無い。確かにカバンの内ポケットに入れた。
私は何回も確認したではないか!! 
自問自答を繰り返すも、連絡先が書かれた紙はどこにも無い。
まるでフライトの10時間が夢だったと言わんばかりに、紙はその姿を消していたのだ。

あれほど妄想上では楽しい楽しいオーストラリアも、
今この瞬間は憎しみの対象でしかない。
いや、自分自身が悪いんだってことは分かっている。
でも、この虚無感を埋めるには、憎むべき相手を見つけるしかなかったのだ。

※ちなみに彼は私の妄想の産物ではなく、実在した人間です。
今ごろどうしているんだろうか……
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2008/09/10(Wed)

【パース編】いざパースへ!

2008年6月。

あのころの私は仕事もプライベートもいいところなし。
今思えば、そこに原因はなく、ただ単に物事が進まないだけ。
ただ、それだけだったように思う。
そういうことって時にはあるでしょ?

って、分かっていた。
分かっていたんだけど、あのときは何もかもつらかった。
だから、日本を少し離れて、ほんの一息を入れたかっただけなのだ。

行き先は友人が滞在しているオーストラリアはパース。
それ以前に「6月末ころに遊びに来ない?」という
魅力的なお誘いがあったからっていうことと、
イメージでしかないんだけど、何となく開放的な気がして。
この閉塞的な状況を打破してくれるんじゃあないかと、
外的要因による環境の好転を望んでいたんだと思う。
という下心ありありで、10年ぶりの海外旅行に踏み切ったわけ。

さあ、行き先は決まった。
でも……、パースってどこ?
しかもパスポートって期限切れてるじゃん。
スーツケースも持ってないし。
なんて状況から始まった。

恥ずかしい話、オーストラリアはシドニーとコアラとアボリジニくらいしか知らない。
日本主体の地図を見ると、北海道よりちょっと大きいくらいかなと思っていた。
で、改めて調べてみると、その広さに驚いた。
なんでもパースからシドニーまでは飛行機で6時間ほど。
東京から沖縄よりもずっと遠いわけ。
そんな広大な土地に行くのかと思ったら、ワクワクしてきちゃって。

それからは俄然モチベーションアップ。
航空券は会社の昼休みにHISに飛び込んで、
「この際、値段はいくらでもかかっていいから、
とにかくこの日に行って、この日に戻ってこれるものを」
なんて金が無い人の発言とは思えないオーダーをする始末。
※とはいえ、この時期はシーズンオフ(冬だからね)だからなのか、
カンタス往復12万くらいと格安だった。

以前のパスポートはとっくに切れてるうえに、紛失していたから、
とりあえず川崎のパスポートセンターに行けば何とかなるだろうと、
航空券を取得した翌日に駆け込む。
(結論から言えば、旧パスポートなんて必要なかったんだけど、ちょっと焦ったよ)

出発まで日にちが迫っていただけに1分1秒も惜しい。
とは言え、パスポートは1週間後。
何だか歯がゆい気持ちもするけど、
何十年と鍛えた妄想力を駆使して
気持ちだけはすでにパースに出発していた。

この段階ではまさか海外留学をすることに、
そして冬が何より苦手な私が、まさかイギリスに行くことになろうとは。
私自身まったく考えてもいなかったのである。
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