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    半年だけの滞在のつもりが、4年間もロンドンに住んでいました。ロンドンでの生活、ヨーロッパ旅行を中心にお届けします。


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2012/11/23(Fri)

一人の女性が50年間、情熱を注いだ「ミナックシアター」

一人の女性が、50年もの長い時をかけて完成させたミナックシアター。
創造をはるかに超えた、とんでもないシアターでした。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター」

この偉業を成し遂げた女性の名は、Rowena Cade。
1893年に生まれ、1931年よりミナックシアターに着手。
1983年、90歳でその生涯を閉じるまでの約50年間、
すべての情熱をミナックシアターに捧げていたと言われています。

第一次世界大戦終了後の1920年代。
この地にやって来たロウィーナは、現在のミナックシアターのある場所を100ポンドで購入。
当時の値段で100ポンドは、相当な大金だったんでしょうね。
この人里離れた不便な場所を、なぜ100ポンドもの大金で買い上げたのか。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター2」

それは、この景色を見れば分かると思います。
コバルトブルーの海、白い砂浜。
まるで忘れられた楽園かのように、それらはひっそりと存在していました。
・・・ああ、彼女は守りたかったんだろうな(あくまでも推測だけどね)。

この地を購入後、彼女は自らの家を建てるのですが、
折りしも、ここウェスト・コーンウォールでは、DIYによる演劇が流行っていました。
そこで彼女は家の庭をシアターに見立てて、1929年『夏の夜の夢』を上演。
洋服作りの技術に長けていた彼女は、出演者のコスチュームも作っているんですよ!

なかなかの人気を博した『夏の夜の夢』は、1930年にも上演。
その後、『テンペスト』上演の依頼を受けたことをきっかけに、
より本格的なシアターを意識するようになります。

『テンペスト』初上演は1932年。
厳しい冬のおかげで、十分な設備をそろえるまでには至らなかったようです。
何しろ照明は、車のヘッドライト。シートもありません。
しかし、簡易の舞台を、役者たちを照らす夜空の月、そして眼前に広がる海。
これよりも素晴らしいシアターは、どこにあるというのでしょう! 
当時のお芝居を観ていないけど、観客たちは大きな感動に包まれたといいます。

トムという協力者はいたものの、基本的にはロウィーナ一人で造り上げたミナックシアター。
それが、こちらになります。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター3」

ミナックシアターの「ミナック」は、コーンウォールの言葉で「岩場」を表します。
この辺りは断崖絶壁の崖や岩場が多く、砂浜はほんの一部。
写真奥に見える崖に、このシアターを造ったのです。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター4」

立地的に重機を運ぶことができないため、リアカーで石を運び続け、セメントで固定する。
すべて手作業ですよ。しかも、50年という長い間ずっと。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター5」

石のシートは長時間座るには、不向きかもしれません。
でも、彼女の情熱を思えば、座れるだけでも有難いというもの。感激です。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター6」

今のわたしには、彼女の情熱のひとかけらすらも無いように思う。

年を重ねるごとに、うまく生きるコツを身につけてしまったようです。
ここでもう一度、10代のころに思い描いていた夢に向けて、歩みを進めようと思う。
実現に至るまで何年かかるか分からないし、実現するかも分からないけどね。
まずは50年、がんばってみよう。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター7

そうそう、彼女はシアター完成を前に亡くなっています。90歳でした。

彼女が遺したスケッチブックには、今後のミナックシアターの構想が書かれています。
シアターとともに生きた彼女の遺志は、そう遠くない未来に実現しそうですね。

イギリスロンドン貧乏生活「ミナックシアター8」

追記)

お芝居は5月~9月までの期間限定で上演されます。
こんなにも素晴らしいシアターでお芝居を見ちゃったら、最初から最後まで号泣だな。
とても行きにくい場所にあるので、お芝居をご覧になる方は、
シアターそばにホテルを確保するか(あるのかな)、レンタカーを手配したほうがいですよ。

★The Minack Theatre
http://www.minack.com/index.htm
冬季は見学のみ。見晴らしの良いカフェあり。

Western Grey Houndの504番か501番のバスがおすすめ。
わたしはランズ・エンド11時40分発の504番に乗りました。
なお、501番はミナックシアターではなく、その近くに止まります。
シアターまでは坂道を登るだけですが、分からない場合はドライバーに尋ねてくださいね。
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