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    半年だけの滞在のつもりが、4年間もロンドンに住んでいました。ロンドンでの生活、ヨーロッパ旅行を中心にお届けします。


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2008/09/10(Wed)

【パース編】上空1万メートルの恋

約2週間の妄想旅行を経て、迎えるは出発当日。

お金がないからとスーツケースの購入を断念し、
国内旅行に活躍中のスポーツバックを相棒に。
中身を守るは500円の南京錠のみという
なんとも心もとない相棒ではあるが、金が無いんだから仕方ない。
それに私みたいな人は結構いるでしょうよ。

……時代は変わったのね。
成田に着いてみれば大人も子どももみーんなスーツケース。
私が卒業旅行に行った10年ほど前はそれほどでもなかったように思えるけど?
荷物を詰め込んだスポーツバックを肩にかけて歩くのは
確かに小回りが効いて良い、良いが、
重くなると途端にそれは大きな負担となる。
コロコロがついたスーツケースを引いて歩いている人の顔が
どことなく勝ち誇ったようにも思えるからフシギだ。
(だったら買えよってことなんでしょうけど)

重いスポーツバックを預け身軽になったものの、出発の時間が近づいている。
急いで出国手続きをして、友人に頼まれていた明太子を購入すれば
もう搭乗手続きが開始されていた。落ち着くヒマもない。
もともと飛行機が苦手な私にとって、10時間フライトは想像を絶するものなのだ。
急かされて乗るも、機内のあの変な圧迫感に一瞬目眩を覚える。
そんな私を支えるのは10時間後に到着するであろう
オーストラリアの広大な大地! 
妄想力をこれでもかってほど駆使して、恐怖に打ち勝とうとしていた。

すると、入口の方からヨレヨレの手ぬぐいを首にかけた白人男性が
満面の笑みで歩み寄ってくるのが見えた。
「オーストラリアのことを思い微笑んでいるのだろうか。
あのようにウキウキした人が隣だったら、アレコレ話しかけてきて面倒だなあ」
そう思っていたら、案の定、私の隣だった。まじかよ。
長時間フライトの大半を睡眠で過ごそうと考えていた私は、
前日ほとんど寝ていない。ほとんどというか一睡も、に近い。
それゆえ隣の人とのんきに会話を楽しむ余裕はまるでないのだ。

『話しかけたら殺す』オーラを放っているも、彼は英語圏の人。日本語は通用しない。
にこにこにこにこ。人の良さそうな笑顔で話しかける。
「こんにちは。君はどこに行くの?」
日本語だ。
ていうか、この飛行機はパース行きじゃねーか、分かるだろ。
と言いたいところだが、日米関係に支障が出てはいけないと思い、必死の笑顔で答える。
強力な睡魔により白めがちで、口元は引きつっていたように思う。
が、彼はそれに動じない。
「どこに住んでるの?」「向こうでは何をするの?」
などなど、質問攻めである。しかし、英語と日本語の比率が9:1。
第一声は彼が知る最大限の日本語だったというわけか。

正直、私は彼のことなんて放置して、睡魔に心も体も犯されたかった。
が、正常な動きをしない頭で考えた。
「向こうに行ったら英語が主流なんだから、いい練習になるのでは」と。
それからはつたない英語力で頑張って対応した結果、どうやら彼は
●関西の語学学校の学生
●ニューヨーク在住。マンションからはそれはそれはキレイな夜景が見える
●両親は共にスーパービジネスマンで、言うならば資産家の息子
●学校が終わったからオーストラリア、カナダ、イギリスへ旅行する
という、私とはまるで違った身分のお坊ちゃまだったのだ!

おまけに何ということか、彼は私をニューヨークの自宅に招き、
両親に紹介したいと言うではないか。
うおー。国際結婚! しかも、相手は金持ち!!!!
占い師が32歳で結婚すると予言したのは本当だったのだ!
パースに行く本来の目的をすっかり忘れてしまい、
ただただ愛しい彼の寝顔を見つめ続けたのだった(←コワイ)。


……しかし、そのような下心を持ってはいけないのだ。
恋とは、愛とは純粋であるべきなのだ。

彼と別れた後、彼からもらった連絡先を手帳に納めようと、カバンを探ってみる。
……どこにも無い。確かにカバンの内ポケットに入れた。
私は何回も確認したではないか!! 
自問自答を繰り返すも、連絡先が書かれた紙はどこにも無い。
まるでフライトの10時間が夢だったと言わんばかりに、紙はその姿を消していたのだ。

あれほど妄想上では楽しい楽しいオーストラリアも、
今この瞬間は憎しみの対象でしかない。
いや、自分自身が悪いんだってことは分かっている。
でも、この虚無感を埋めるには、憎むべき相手を見つけるしかなかったのだ。

※ちなみに彼は私の妄想の産物ではなく、実在した人間です。
今ごろどうしているんだろうか……
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