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    半年だけの滞在のつもりが、4年間もロンドンに住んでいました。ロンドンでの生活、ヨーロッパ旅行を中心にお届けします。


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2008/09/10(Wed)

【パース編】雨に泣く

広い部屋の隅でひざを抱え、うずくまっているとトビラをノックする音が聞こえた。友人だ。


「今日はどうする? 到着したばかりだから疲れたんじゃない?
私は今日、仕事があるからのんびりしてたら?」
彼女からのありがたい申し出ではあったが、私はどうしても行きたいところがあったので
「いや、今日はお昼くらいからフリーマントルに行ってみるよ」と強い意志で宣言してみた。

旅のバイブルである『地球のあるき方』によると、フリーマントルという場所では、
毎週末にぎやかなマーケットが開かれているという。
「カプチーノ通り」とよばれる街路沿いには、オシャレなカフェもいっぱいあるんだとか……
偶然にも到着日は日曜。これは行けという神のお告げだろうと勝手に解釈していた。

そんな気持ちを当然知るよしもない友人は目をまん丸にしながら、
「え~!!! さっき到着したばっかなのに!」と驚いていた。
フシギと疲れはなかった。きっと10年ぶりの海外旅行で興奮状態にあったのだろう。

少々の仮眠を取った後、友人と軽く朝食を食べていると、
2階から誰かが降りてくる音が聞こえた。
音のほうを見ると、背が高く、スリムな体型の女性が現れた。
この家の住人、2人の姉妹の姉である。
「グッモーニン!」
ゆるやかなウェーブがかかった茶色い髪に、マスカラもビューラーもいらない睫毛と大きな目。
スッと伸びた高い鼻、そして私の半分くらいの小さな顔。
口角がきりっと上がった口元から発せられる声はやや低音ではあるが、
よく通り、かつ明瞭。まるで彼女の意思の強さをあらわしているかのようだ。

うらやましいなあ~と思い見つめていると、彼女もこの見知らぬ日本人を
好奇心に満ちた目で見つめてきた。自己紹介をしなくては!
そう思ってはいても、なかなか言葉が出てこない。
海外ではあまり受け入れられない「あいまいな微笑み」を浮かべるばかり。
すると友人が「この子は私の友達で、今日日本から到着したばかりだ」と紹介してくれた。
更に「今日到着したのに、フリーマントルに行くって言うんだよ」と付け加えていたらしく、
それを聞いた彼女も「どひー」と言う驚きの表情をしながら、
なおもあいまいな笑顔を浮かべる日本人を見つめていたのだった。



朝食を早々に済ませた後、仕事の時間が迫っている友人と外に出る。
フリーマントルに行くためのバス乗り場を確認するためだ。
友人とは途中で別れ、「すぐそこだよ」というバス停を目指し歩く。
朝の雨が空を浄化したのだろうか、どこまでも青く、澄んでいる。
冬だから外気温は低いものの、降り注ぐ太陽の光はあたたかで優しい。
単純なようだが、これだけでパースという街が好きになった。

バス停もすぐに見つけ、乗る時間を確認。
ついでだからと海に行こうと思ったとき、突如、空があやしく曇りだす。
「あっ。これはまずい」そう感じるや否や、空から大量の雨が降ってきたのだ!
それこそ「バケツをひっくり返したような」という表現にふさわしい、雨。
「すぐそこ」だからと思い、傘なんて持ってきていない。
走って帰るも、ずぶ濡れになるのは必至。
でも、それでも、一刻も早く帰らねばと必死の形相で走る、走る、走る。

家の前に到着したときは、案の定、ずぶ濡れ。
髪も、服も、それこそ下着も、すべて。
本当に哀れとしか言いようがない姿で現れた日本人を
この家の住人である姉妹は驚きの表情で見つめる。
「ベリーストロングレイン、ジャージャー(激しく降る様子を口とジェスチャーで表現)。
アンビリーバブル、サプライズ」
どうにか状況を伝えようと試みるが、
まったく意味のわからないことを口走ってしまう。

「???」な表情の姉妹に「ノープロブレム。サンキュー」と告げ、
その場を足早に走り去る。とにかく寒かったし、ショックだったのだ。

そう、私は日本国内では晴れ女としの自信があった。
旅行をはじめささいな用事であっても、滅多に雨は降らない。
降ったとしても私が外を歩いているときは止むのだ。
それがオーストラリアでは通用しない。
むしろ「雨女」と言ってもいいかもしれない。

その事実を突き付けられ、またしても茫然とするばかりだったのだ。
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