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    半年だけの滞在のつもりが、4年間もロンドンに住んでいました。ロンドンでの生活、ヨーロッパ旅行を中心にお届けします。


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2010/10/14(Thu)

【生活】丸2年が経過しました

正確にいえば、2年と2週間。

高校卒業から約14年間。英語に触れてこなかった。
いや、「触れてこなかった」ではなく、
英語を「意識的」に遠ざけていた私を乗せたキャセイパシフィック航空は、
2年前の10月1日。朝6時をわずかばかり過ぎたころ、ヒースロー空港に到着した。

単身での海外は、生まれて初めて。
1週間や2週間の「旅行」ではなく、見知らぬ土地で「生活」しなくてはならない。
もちろん、先導してくれるガイドなんていない。
ビザの有効期間である1年間を、「無収入」で暮らすだけの貯金もなければ、
日本人以外の人たちと意思の疎通を図る「英語力」もない。

迎えの人が来るまでの約30分間。
あれほど心細く、孤独な思いをしたことは、
これまでの人生であっただろうか。

正直な話、渡英6カ月後には日本に帰国しようと思っていた。
その6カ月間は、いわば人生の休息時間。
約10年間、やみくもに働き続けてきた自分へのご褒美と言うべきものか。

ところが、どういうことだろうか。

気づけば1年。
学生ビザが終わりを迎えるころ、
それまでバイトとして働いていた会社に就職することとなる。
生まれて初めての正社員。
日本ではなく、ここイギリスで正社員である。

海外脱出を思いついたとき、ただ「学費が安い」というだけで選んだ。
イギリスに対しての情熱も、夢もなく、
むしろあるのは、「暗い」「寒い」というマイナスイメージだけだった。
人生とは分からないものだし、皮肉なものだ、と思う。


ビザ申請のため、年末年始をはさむ約2カ月間の日本滞在は、
再渡英の気持ちをくじけさせるには、十分すぎる時間だった。
藤沢駅北口から出発する、成田空港行きのバスを見送る妹の姿を
思い出すたびに、郷愁の念にかられてしまう。
彼女の姿が見えなくなり、藤沢の街を出た瞬間、どれほど泣いただろう。
エールフランスの機体が、日本の大地から離れた瞬間、
どれほどの喪失感を味わったことだろう。

それでも。
ロンドンでの生活は、本当に楽しい。
晴れた日は、太陽の恵みを思う存分味わい、
雨の日は、自然が作り出す太古からのハーモニーに耳を傾ける。
春夏のこの上ない幸福感は、闇に包まれる冬があってこそのもの。
そう考えれば、冬ですらいとおしく思えるものである。


そう。
わたしは、いつの間にか、イギリスが好きになっていたのだ。
渡英当初は嫌悪感しかなく、早く帰りたくて仕方がなかったのに、
今では、日本同様、心の底から安堵できる場所になっているのだ。

それに気付いた。
いや、気付いてしまったと言うべきか。
丸2年を迎えた10月1日。

1年後の10月1日。
わたしはどこにいるのだろう。
大好きな藤沢の街か、それともロンドンか、それとも・・・
それを考えるための日本一時帰国。

楽しみでもあり、怖くもあり。
私は。
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コメント ▼


  • 私は数日間の海外旅行(ひとり旅)の時でさえ、出発前は不安になってしまいます。
    それが「暮らしに」行くわけですから・・・涙が流れた気持ち、分かります。
    自分で行くと決めたことなのに不思議ですよね~。

    そんな風に旅立ったことも含めて、
    イギリスでの時間が今のユキさんをつくったわけで
    それらを振り返ることが出来るユキさんはとてもステキだと思います!

    私は行きたい気持ちが不安に負けて留学をあきらめたクチなので
    ユキさんの姿があのとき一歩踏み出していた自分かも、と
    そんな風に思ったりしながらいつもブログを読んでます。

    久しぶりの帰国ということで、ゆっくりリセットしてきてくださーいー。
    そして答えが見つかるといですね☆
    ご家族、友人の方と楽しいひとときを!

  • もすらんさん
    いつもあたたかいコメント、ありがとうございます。

    音楽や旅行など、楽しむことが盛りだくさんなロンドンで、
    ともすると、怠惰な生活になりがちですが、
    そんなときは必ずと言っていいほど、渡英初日のことを夢に見ます。
    孤独に打ちひしがれた空港で、吐きそうなほどの緊張感を味わいながら、
    この土地で何をするのか、何を得るのかを考えていたことを、
    夢は私に思い出させるんだなあと思っています。

    楽しい、楽しいで気づいたら3年、5年が経過していたというのは、
    今はよくても、将来的には厳しいことですからね・・・ 
    3年目のこれからが、いよいよ正念場なのかなと思ってます。

    日本帰国、本当に楽しみです!
    美味しいものを食べながら、今考えていることに
    何らかのの結論が出せればいいなーと思っています。

  • 僕もロンドンはすごく楽しいと思います。
    バスの2階から下を眺めているだけでも、多種多様な人達がいて全く飽きさせません。

    夏の天気が良い日はとても気持ち良いし、冬の公園でも、犬の散歩する人と周りに雰囲気がまるで映画のように。

    あー僕もロンドンにもう1回行きたいなー。
    でも一生住めと言われたら考えますが(笑)

  • 心に染みる文章でした。

    1年後、サトウさんが日英どちらで暮らしているのか分かりませんが、
    笑顔で暮らしていることは容易に想像できます(^^).。
    僕も、何だか楽しい気持ちになれました。
    どうもありがとう!

  • こっそり読んでいたのですが、今日はコメントしてみました! 初めまして。

    なんかとっても感動してしまいました、来年から渡英する準備をしているのですが、わくわくの奥底にある不安をやさしく包んでくれるような気がしました。

    就職のために上京する際に家の門の前で見送ってくれた母の姿が見えなくなった瞬間東京までずっと涙が止まらなかった時のことを思い出しました。

    自分の選んだ道なのに、あの瞬間なぜ涙がでたのか、あれほど、実家が大嫌いだったのに涙がでたのか…渡英する際その答えがわかるかもしれません。

  • >すこんぶさん
    ぜひ、また遊びに来てください。
    晴れた日の公園って、すごく良いですよね。人も犬も本当に幸せそうで。
    公園での時間って、日本にいたときには皆無でしたよ、わたし。

    >白谷さん
    わ。ありがとうございます。嬉しいです。
    来年はどこにいるのか、現段階では全くワカリマセンが、
    ムリしないってことが、どういうことか分かったので、
    どこにいても楽しく過ごしてると思います!
    それもこれも、日本でがむしゃらに働いていたからかもしれませんね。
    ゆるやかな時間がどれほど大切なのか、身にしみて分かりました。

    >チオリーヌさん
    はじめまして!コメントありがとうございます!
    来年から渡英されるんですね。もしも、その先がロンドンであれば、
    心より歓迎します!何か困ったことがあれば、何でもおっしゃってください。
    わたしにできることであれば(英語以外←泣)、何でもします。遠慮は無用です。
    あの日、涙が止まらなかった理由は、ぼんやりとですが理解しています。
    当たり前にあるものだからこそ、その大切さって気づかないものなのかなと。
    日本を離れてからは、わたしにとって日本は世界で一番好きな国ですし、
    家族は誰よりも大切にしたい存在だって思うようになりましたよ!

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